2/21(SUN) 「Y/OUR MUSIC」観賞前に
イサーンを象徴する楽器にケーンとピンがある。「Y/OUR MUSIC」には電気ピンを生み出したトーンサイ・タップタノンが出演している。そのインパクトから電気ピンはモーラム・バンドの特徴と思われがちだが、これは間違いである。そもそもトーンサイが所属していた楽団ペット・ピン・トーンはお笑い一座である。そして70年代、電気ピンを使用していたモーラム楽団、バンドは少なく、レコードになっている音源は少ない。ペット・ピン・トーン以外に電気ピンを導入していた楽団は天才スリン・パクシリ率いるティドソー・ラム・プルーンくらいである。こちらはお笑い一座ではなく、モーラムとルークトゥン・イサーンのバンド。ほとんどシングル音源しかリリースしていないが先日Soi48が再発したパイリン・ポーンピブーン『ラム・クローム・トゥン:エッセンシャル・パイリン・ポーンピブーン』(EM1147)で貴重な音源が聞く事ができる。
http://soi48.blogspot.jp/2015/10/phairin-phonphibun-lam-klom-thung.html
現在はシンセで代用される事が多くなったがモーラムと切り離せない関係にあるのがケーンだ。70年代当時、ピンが入っていない楽団はあってもモーラムの象徴と言えるケーンが入っていないモーラム楽団はほとんどなかった。(※ケーンを入れていない奇抜なモーラムバンドが例外として一つ存在する。音源◎!!!)。あくまでもモーラムは語り芸、後ろで流れている音で判断をしてはならない。つまり声、語り(ラム)が重要なのだ。