Soi48 Vol.61 / 62 / 63
ADM: ASIA’S OWN UNHINGED CLUB CULTURE
at SPACE TOKYO
Vol.61|2025.10.05.SUN
Budots Strikes Back──ブドッツの反攻
Guest_obese.dogma777 (from Philippines)
Vol.62|2025.11.09.SUN
Pattaya’s Dangerous Night──パタヤの危険な夜
Guest_DJ Ball (from Thailand)
Vol.63|2025.12.07.SUN
The Lion King Returns──桃園的Y2K
Guest_@L (from Taiwan)
*
OPEN_18:00-LAST
ENTRANCE_¥3500
SPACE TOKYO
B1F 5 Chome-4-1 Shinjuku Shinjuku-ku, Tokyo
近年アジア各地域で継続的なADM(Asian Dance Music)調査を敢行しているOMK一行が、この度、その成果をコンパイルした初の写真報告書『ADM: Asia's Own Unhinged Club Culture』(Soi48著)を上梓。本書の発売を記念して、フィリピン、タイ、そして台湾から、多彩なゲストを招いたSoi48パーティを3ヶ月連続(Vol.61、62、63)で開催する。
10月5日(日・vol.61)はフィリピンの首都・マニラからobese.dogma777を招聘。かつてsimilarobjects名義で精力的な制作活動を展開し、地元マニラの若い電子音楽シーンとコミュニティを育む存在として知られる彼は、2010年代中頃よりダバオ発祥のADM「Budots(ブドッツ)」への興味を次第に強めていく。現在はこの20年近い伝統をもつ街場のADMに、同時代のインターネット〜ダンスミュージックの感性を衝突させた「Post-Budots」の旗頭として、グローバルな都市クラブカルチャーの中でその文脈の更新を企てている。
11月9日(日・vol.62)はタイのリゾート地・パタヤからDJ Ballが初来日。タイ人が愛してやまない国民的リズム「3 Cha(サムチャー)」を発展させた、タイ独自のダンス・ミュージック「Saiyor(サイヨー)」界のレジェンド。そのエナジーとヴァイブスに満ちたDJスタイルは、工業地帯チョンブリーの労働者やパタヤで働く女性たちから熱烈な支持を集め、バンコクのナイトクラブシーンとは一線を画す独自のエンターテイメントを築き上げてきた。今回「パタヤの危険な夜」と題し、タイ郊外の荒々しいグルーヴを新宿で体験してほしい。
2025年、そして3ヶ月連続企画の締めくくりとなる12月7日(日・vol.63)は、台湾から@Lが来日。昨年、Soi48 vol.58で圧巻のプレイを披露したFIONの記憶も新しいが、@LはそんなFIONにとってDJの師であり、公私におけるパートナーであり、また00年代初頭の怪物箱・桃園「獅子王」の元マネジャー兼レジデントDJとして、台湾クラブ史における華語ポップスとダンスミュージックの意義深い結節点を担った張本人でもある。現在は業界におけるベテランとして野外レイヴやフェスティバルを中心にプレイするが、今回の来日ではSoi48パーティのために特別な“獅子王セット”を披露してくれる予定だ。
なお、すべての会場で『ADM: Asia's Own Unhinged Club Culture』の販売はもちろん、お馴染みSoi48パーティクルーによる新作マーチャンダイズ、アジア各地で入手した雑貨・アパレルなど、物販コーナーも大幅拡充の予定。また、各回前後には関連イベントとして「OMK Meeting」の開催も計画されている。海の向こうで日々変容を続けるADMの現在進行形を、東京は新宿にて余すところなく体験してほしい。
[ゲストプロフィール]
obese.dogma777
フィリピン・マニラを拠点にする音楽プロデューサー/DJ・Jorge Juan B.によるプロジェクト。かつては「similarobjects」の名で電子音楽を制作し、「Manila Community Radio」の共同創始者としても知られる彼は、ポストモダンなクラブサウンドを通じて、秘教的で過剰主義的な音楽世界を構築する。ポップカルチャーからネットミーム、オカルティズム、ハイパーリアリズムといった領域からの影響を有機的に混ぜ合わせながら、メインストリームのクラブ的パターンを再文脈化し、伝統とデジタル・グロテスクの境界線を曖昧にするようなサウンドを志向している。
DJ BALL
タイ東部・タイランド湾沿岸に位置するチョンブリー出身のDJ。タイ人が愛してやまない国民的リズム「サムチャー」を発展させた、タイ独自のダンス・ミュージック「サイヨー」の黎明期から活躍してきた。エナジーとヴァイブスに溢れるDJスタイルは、工業地帯チョンブリーの労働者や、パタヤで働く女性たちから熱烈な支持を集め、バンコクのナイトクラブシーンとは一線を画す独自のエンターテイメントを築き上げている。クラブ営業ができなかったコロナ禍には配信DJを展開し、巧みなMCによってバズを連発。TikTokとも連動させ、タイで最も影響力のある配信パーティーへと成長させた。現在はDJスクールを経営し、DJやダンサーの育成に取り組むとともに、プロデューサーとしても活動を続けている。
DJ @L
1985年にDJキャリアをスタートさせて以来、台湾の電音舞曲文化を創成期から支え、とくに初期テクノ/ドラムンベース・シーンで重要な役割を果たしてきたキーパーソン。1992年に〈bpm ProductioN〉を設立し、現在まで多くのレイヴやフェスティバルの主催も手がける。2002年には週末の一晩で6,000人を動員する台湾最大級の夜店「獅子王」の音楽ディレクターを務め、華語ポップスとハードトランス/テクノを融合させたブートレッグ・キラーによって台湾独自の舞曲様式の礎を築いた一人。2007年には中国・杭州にレジデントDJとして招聘されるなど、その卓越したDJ技術と経験は「台湾トップ10 DJ」の一人と目されるに相応しい実力派である。



