旅行記をUPしている間にとんでもない作品がリリースされたので紹介。DUST TO DIGITALから東南アジアのSP盤音源のみ集めた作品『LONGING FOR THE PAST』がリリースされたのだ。まず手にとって驚いたのは300ページ弱の分厚い本、そして中身の素晴らしさだ。当時の写真、絵葉書、SP盤のラベル、レコード会社のスタンプなどこれこそ欧米人が感じるアジアのデザイン、ノスタルジーというのが丁寧に掲載されている。使われている写真は実際の収録されているSP盤とリンクはしていないパリ博など欧米の歴史資料が多いが、雰囲気のある良い写真を選んでいる。
そしてライナーには日本のみならず世界で出版されているラオス、タイ音楽本の参考文献として使われている『TRADITIONAL MUSIC OF THE LAO』の著者として有名なTERRY E.MILLERの名前があった。YOU TUBEのプロモ動画の最初に使われているモーラムはNUANCHAN AND AMPHON SANGACHITの『LAM TOEI JEP SAEP』。AMPHON SANGACHITは後にUBON PHATTHANA楽団のリーダーとなる。UBON PHATTHANA楽団はアンカナーン・クンチャイのデビューアルバムのバックバンド。モーラムが好きならこの1曲の為だけでも購入する価値がある代物だ。雰囲気を大事にしつつもSP盤というカテゴリーを越えてアジア音楽と真っ向勝負した気合の入った仕事は素晴らしいの一言。アジア音楽初心者からコレクターまで是非手にとって見て欲しい。