2013/02/01

BAAN PHET PHIN THONG ③



引き続きペッ・ピン・トーン楽団の話をしていきたい。本日は酒とタバコの話を。モーラム一座を追いかけた大内治氏の書籍『タイ演歌の王国』(1999年現代書館)やタイ関係のブログを読むとペッ・ピン・トーンの座長であるノバドル・ドゥアンポーンは楽団の統制を取るために酒とタバコに厳しくしたと書いてある。これは本当なのか?!ラオカオ(米のお酒)やタイ・ウイスキーが好きなイサーンを多く知っているだけに本当かどうか気になっていた。しかしペッ・ピン・トーンの情報を知っているタイ人にこの事を聞くと「そうそう、神経質で酒や女に厳しいんだよ。」と答えた。そして今回家を訪ねて本人に聞くまでも無くその事を理解した。家のいたるところに禁煙・禁酒シールが張ってあるのだ。掲載写真は録音スタジオのドアで、スタジオの中にも禁煙シールが貼ってある。酒やタバコを楽しみながらスタジオでファンキーな音楽を作っていたという勝手な妄想は見事に打ちのめされた。ノバドル氏との会話で彼が非常にストイックな人間でナイーブな人物だと言う事が読み取れた。こんな完璧主義のエンターテイナーによってイサーンの娯楽は支えられていたと言う事は忘れてはならないと同時に、この厳しさがあったからこそペッ・ピン・トーンは移り変わりの激しいタイ芸能界で長い間第一線で活動できたのだと思った。