(以下、公式インフォより転載)
「爆音映画祭2019 特集タイ|イサーン VOL.3」のイベントとして今年夏のクン・ナリンズ・エレクトリック・ピン・バンドに続き、来年1月にアンカナーン・クンチャイが再来日ライブを行います!
富田克也監督『バンコクナイツ』(空族制作・2016)にも登場し、鮮烈なモーラム歌唱を観るものに強く印象付けたアンカナーン・クンチャイが、愛弟子プロイ・クンチャイ、そしてタイ若手ナンバーワンのケーン奏者ポンサポーン・ウパニと共に来日。加えて、タイのヒップホップ・シーンを牽引する大物ラッパーJUU & G.JEE も加わり、名付けて<アンカナーン・クンチャイ・パッタナー・バンド>という特別編成でライブを行います。貴重な正統派モーラムはもちろん、ヒップホップと融合した新しいモーラムのスタイルも聴くことができる貴重な機会となります。
日本からは井手健介と母船、1stアルバム『Samurai Mekong Activity 』も好評発売中、日本唯一のピンプラユックバンドMONAURAL MINI PLUGも参戦。更にはタイ・東南アジア音楽の伝道師としての活躍も目覚ましいOMK、stillichimiyaのYOUNG-G、MMM、そして言わずと知れたSoi48もDJとしてフロアを盛り上げます!また36 chambers of spice、piwangのフードも出ます。
タイでも観ることの出来ない一夜限りのライブを是非お見逃しなく!
当日より1000円お得な前売り券は12月15日(土)正午よりイープラスにて発売。現在ディスクユニオンでも先行受付中。
「爆音映画祭2019 特集タイ|イサーン VOL.3」
〜アンカナーン・クンチャイ・パッタナー・バンド LIVE!〜
主催:boid、空族、Soi48
協力:WWWX
助成:国際交流基金アジアセンター
<日時>
2019年1月12日(土)16:30 OPEN&START
<出演>
アンカナーン・クンチャイ・パッタナー・バンド(アンカナーン・クンチャイ、プロイ・クンチャイ、ポンサポーン・ウパニ、JUU & G. JEE)、井手健介と母船、MONAURAL MINI PLUG
DJ:YOUNG-G、MMM、Soi48
FOOD:36 chambers of spice、piwang
<料金>
前売4500円/当日5500円(ドリンク代別 500円)
<前売券>
イープラスにて2018年12月15日(土)正午より発売!〜2019年1月11日(金)18:00まで
http://eplus.jp/bakuonthai2019pre-0112/
ディスクユニオン
https://diskunion.net/reggae/ct/detail/REGGAE-181202-01?fbclid=IwAR3B7iB5ahOP8Br85MZYjG2L_kIuCW3934pMqkJ8S59mcKxJDHNz0U-5_vg
※出演者については、必ず公式サイトをご確認の上お申し込みください。なお、やむを得ない状況により出演者が変更となる可能性がございますことをご了承くださいませ。
※ドリンク代別/各整理番号順にご入場いただきます。
<会場>
WWW X(〒150-0042東京都渋谷区宇田川町13-17 ライズビル2F/TEL 03-5458-7688)
https://www-shibuya.jp
<ウェブサイト>
http://bakuonthai2019.com/
FBイベントページ:https://www.facebook.com/events/211048826368499/
There’s a Riot Goin’ On
2018年夏のクン・ナリンズ・エレクトリック・ピン・バンドから約半年。3回目となる爆音映画祭のタイ|イサーン特集のライヴでは、再びアンカナーン・クンチャイさんを招聘する。『バンコクナイツ』でも観ることのできた彼女の姿はあまりに凛々しくて、われわれを一気に時間の果てへと連れ去る一直線の視線とともにあったと思う。われわれは今どこにいるのか、という問いが生まれる。この日本、この東京。あまりにばかげていて冗談ではないかと思うものの冗談ではないこの日本で生きるしかないわれわれの身体がかけがえのないこのひとつでしかない悲しみが、彼女の歌声とともに湧き上がる。その悲しみとともに怒りばかりが身体を責め立てるのだが、急がば回れ。彼女の歌声とともにこの東京からイサーンを経て世界の果てへと心と身体をゆっくりと広げてみる。いくつもの映像がわれわれの身体を貫き通すだろう。
そして今回の上映はイサーンだけではないタイの各地、あるいは国境を越えてカンボジアへと広がる作品をラインナップした。その風景と歴史の中で、われわれは生きる。いつの日かこの東京のゆがんだ風景も、それらの中にゆっくりと飲み込まれていくだろう。笑えない冗談には、そんな果てしない未来からのほほえみを返すことにしよう。われわれは今、そんな微笑みの中にいるのだ。There’s a Riot Goin’ On
樋口泰人(boid主宰/爆音上映&爆音映画祭プロデューサー)
アンカナーン・クンチャイ・パッタナー・バンド結成理由
タイ語で「パッタナー」という言葉がある。発展、開発するという意味でタイ音楽のアーティストやプロデューサーはよくこの言葉を使う。アンカナーン・クンチャイ、チャウィーワン・ダムヌーン、ダオ・バンドンなど数多くのイサーン歌手の作詞・作曲を手掛けた伝説のプロデューサー、スリン・パクシリは「ルークトゥンやモーラムも伝統を守ってばかりではいけない。常に新しい音楽を取り入れて発展させないと大衆の心は掴めないし、音楽は廃れてしまう」という。この言葉こそタイ音楽がラテン、ロック、ディスコからヒップホップまでに取り入れ、現在でもルークトゥンやモーラムを聞く文化が根付いている理由である。アンカナーン・クンチャイ・パッタナー・バンドでは貴重な正統派モーラムはもちろん、新しいモーラムのスタイルにもチャレンジしてもらう予定だ。「パッタナー」をするから音楽は常に面白く、廃れない。そのタイ音楽の肝を1月12日、WWWXで体感してもらいたい。
Soi48(KEIICHI UTSUKI & SHINSUKE TAKAGI)
出演者プロフィール
Photo by Takahiro Yamaguchi
■アンカナーン&プロイ・クンチャイ ANGKANANG KUNCHAI & PLOY KUNCHAI
1956年生まれ。アムナートチャルーン県出身の女性モーラム歌手。チャウィーワン・ダムヌーンに師事。1972年スリン・パクシリによって制作され彼女が歌ったモーラムとポップスを結びつけた最初の曲「イサーン・ラム・プルーン」が大ヒット。「イサーン・ラム・プルーン」は2014年にEM Recordsから再発され、その独特の節回しと美しい声から全世界の音楽ファンを魅了したイサーン音楽の金字塔。空族の映画『バンコクナイツ』にも出演し、エンディング曲にも使われている。近年はタイ人ラッパーDABOYWAYのシングル「KAOW MA」に参加。若手音楽家との交流も深めており、伝統芸を発展させ大衆に届ける70年代と変わらない挑戦を続けている。今回、後継者が少なくなってしまった正統派モーラムを受け継ぐ貴重な娘弟子プロイとの来日公演。
Photo by Takayuki Kayano
■ポンサポーン・ウパニ PONGSAPORN UPANI
1991年生まれ。コンケーン県出身のケーン奏者。タイ若手ナンバーワンのケーン奏者として活躍。人間国宝であるチャウィーワン・ダムヌーン、アンカナーン・クンチャイからの信頼も厚い。ケーンだけでなく、ピンや打楽器、そしてスタジオ・エンジニアもこなすイサーンの音楽界を背負う新世代アーティスト。
■JUU(4E RASTAFARI) + G.JEE
バンコクの旧市街ウォンエンヤイで育ち、少年時代、デックウェン(暴走族)を経験した過去を持ち、伝説のヒップホップ・グループ4E RASTAFARIの一員としてタイの地下シーンで活躍。レゲエとヒップホップを融合し、タイ語の特徴を生かしたスタイルは唯一無二なものでカルト的な信者を多く持つ。現在はイサーン地方の都市コンケーンに移住し、スタジオを運営。自然に囲まれた環境でイサーンの若者と共に曲を制作し、最先端のトラップからダブ、そしてタイの伝統音楽を取り入れ、バンコクのヒップホップ勢と一線を画す独特の世界観を築き上げている。タイの最先端ヒップホップ・シーンを牽引するTWOPEE SOUTHSIDE、YOUNG BONG等のアーティストから「アージャーンJUU(JUU師匠)」と尊敬される地下シーンの大物と言えるだろう。
その様子は『STUDIO VOICE VOL.413 ~いまアジアから生まれる音楽~』でも取り上げられ、日本のヒップホップ・ファンからも大きな反響を呼んでいる。今回の来日にはJUUが見出した19歳の天才女性ラッパーG.JEEも帯同。stillichimiya主催のフェス「KAMIKANE 3000」で初来日を果たし、現在Young-Gとアルバムを製作中。
■井手健介と母船
井手健介を中心としたバンド。東京・吉祥寺バウスシアターのスタッフとして爆音映画祭等の運営に関わる傍ら音楽活動を始める。2012年より井手健介と母船のライヴ活動を開始、不定形バンドとして様々なミュージシャンと演奏を共にする。2014年夏、バウスシアター解体後、アルバムのレコーディングを開始、2015年夏に1stアルバム「井手健介と母船」をP-VINE RECORDSより発表。その他、CD-R「島流し」「停泊」を自主制作。2017年5月に12inchEP「おてもやん・イサーン」(映画『バンコクナイツ』トリビュート企画第3弾)をEM RECORDSよりリリース。同12月には1stアルバムのヴァイナル・エディションがリリースとなった。
■MONAURAL MINI PLUG
タイの人気ピン奏者テック・ラムプルーンから学んだ日本唯一のピンプラユックバンド。電気ピン奏者の真保信得、ケーン奏者の牛田歩、パーカッション担当の冨樫央、ベース担当の黛敏郎の4人を中心に作り出すグルーブはまさに現地そのもの。都内の公園、レストラン、ライブハウスや屋外イベントで活動中。2018年、P-VINE RECORDSより1stアルバム『Samurai Mekong Activity 』を発表。
■OMK (ワンメコン)
stillichimiyaのYOUNG-G、MMM、DJユニットSoi48を中心にアジアの地下ヒップホップ・シーンからクラブ、ローカルなディスコまで潜入調査し、インターネットの世界ではわからない音楽、危険な現場、ゴシップ、レコード、カルチャーをディグするプロジェクト。SNS上のうわべだけのコマーシャルと異なる”リアルで質の高い”情報は大きな話題を呼び『STUDIO VOICE : Flood of Sounds from Asia-そこで生まれる音楽-』、TBSラジオ「アフター6ジャンクション」で特集されることに。ワンメコン・ミーティング、DJイベントを不定期開催中。
■YOUNG-G (stillichimiya)
山梨県一宮町で生まれたムーブメント”stillichimiya”メンバー。DJ、プロデューサー、サウンドエンジニア‥音に関わる様々な活動を展開。ソロ活動としてDJやビートを提供する傍ら、田我流とカイザーソゼ、おみゆきCHANNEL、IS PAAR BAND等のプロジェクトにも参加。2011年フィリピン、マニラのトンド地区でのHIPHOPワークショップを経てから「アジアで独自の進化を遂げるHIP HOP」をテーマにしたMIX CD「Pan Asia」シリーズ(Vol1, 2)を製作。日本で流通、紹介されないアジア圏のHIPHOPアーティストの招聘や普及活動を展開。2017年公開の空族の映画『バンコクナイツ』に楽曲提供、録音スタッフとして参加。同映画は海外の映画祭で数々の賞を受賞、国内では毎日新聞映画コンクールの監督賞、音楽賞という名誉ある賞に輝いた。タイを中心にラオス、カンボジア、ミャンマー等、メコンの音楽に魅せられおよそ一年にわたり現地で音楽を収集、研究。独自の視点と経験から放たれる音は、リスナーを日常と洗脳から解き、桃源響へと導く。
■MMM(stillichimiya、スタジオ石)
1982年生まれ。日本大学芸術学部卒業。漫画家を経て、2010年より「スタジオ石」として、MV 制作、イラスト、デザイン、立体制作など多角的に創作活動を始める。ラップグループ「stillichimiya」のメンバーとして音楽活動もおこなう。脚本、演出、撮影、編集まですべてをこなすMV作品は、おもにweb上で公開、注目を集め、ジャンルを超えたアーティストから制作オファーが殺到している。『映画 潜行一千里』は向山が「スタジオ石」として『バンコクナイツ』の撮影を進める傍ら、自らカメラを回し空族の撮影風景の裏側を記録に収めた監督作品である。
■Soi48(KEIICHI UTSUKI & SHINSUKE TAKAGI)
旅行先で出会ったレコード、カセット、CD、VCD、USBなどフォーマットを問わないスタイルで音楽発掘し、再発する2人組DJユニット。空族の映画『バンコクナイツ』にスタッフとして参加し毎日映画コンクールにて音楽賞を受賞。EM Recordsタイ作品の監修、『爆音映画祭タイ|イサーン特集』主催、フジロックや海外でのDJツアー、トークショーやラジオなどでタイ音楽や旅の魅力を伝えている。その活動の様子はNHKのTV番組にも取り上げられ大きな話題となった。『Soi48』というパーティーを新宿歌舞伎町にて不定期開催中。Brian Shimkovitz(AWESOME TAPES FROM AFRICA)、Zack Bar(FORTUNA RECORDS)からモーラム歌手アンカナーン・クンチャイ、弓神楽ただ一人の後継者、田中律子宮司など個性的なゲストを招いてのパーティーは大きな反響を呼び英「The Wire」にも紹介された。タイ音楽と旅についての書籍「TRIP TO ISAN :旅するタイ・イサーン音楽ディスクガイド」好評発売中。